【35話】式の準備をしていたら古着屋で3000円のウエディングドレスを発見、そこから謎のスイッチが入った。
数年前の話だけど、両親も新郎両親も共働きで、新郎もちょうど忙しい時期で、暇な自分が結婚式の諸々を計画する事になった。それまでは無難に地元の式場の情報を集めていたんだけど、
古着屋で黄ばんだウエディングドレス(3000円)をゲットして以来、何かのスイッチが入ってしまった。
100均の造花でブーケを作り、300円のおもちゃのティアラを買い、できるだけ安く済ませようとしだした。
そのテンションのまま式場は公民館に決定。タダで机と椅子を貸してくれるし、場所も広いし、食器は紙皿に紙コップ、料理は母親と自分でちらし寿司やケーキを作れば無問題だと思ってた。
手作りの招待状にクレヨンで自作イラストを書いている時に、親に計画がばれた。
両親にどやされ、新郎両親含めた家族会議でも吊るし上げをくらい、私抜きで式場選びが始まった。
その後はあっという間に食事や招待状や席の事も決まっていったんだけど、すっかり信用を失っていた私は自分のドレスの選択権も与えられなかった。
それまでは「しっかりしたお嬢さん」という感じで一任してくれていた新郎両親も「◯◯ちゃんはいいからいいから!休んでていいから!」と話し合いに参加すらさせて貰えなかった。
ちなみに新郎(今の夫)も「え?公民館なら安く済ませていいじゃん!」と発言して私と一緒にのけものにされていた。
当日綺麗な式場としっかりした進行の中、「このドレス借りるだけで6万もするんだよ」と愚痴る私がビデオに残っている。
今はあの時母親に計画が露見して良かったとさえ思う。
別に節約家でも吝嗇でもなかったのに、なんであんなに安さにこだわっていたんだろう。
自分でも気づかないうちに花嫁フィーバーだったのだとしか思えない。
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