不幸な結婚式のまとめ

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【70話】俺が兄貴の結婚式で爆弾スピーチ

あまり気分のいい話じゃないし

俺しかスカッとしない。

親しかった女の結婚式をメチャクチャに

してやっただけの話なんだが。



学生時代に付き合ってた彼女がいた。

けれど、兄貴に紹介したら、しばらくして

「お兄さんの方が好きになったから別れたい」と

切り出された。



未練はあったけど、彼女の心が離れてるのが

判ったから「兄貴のどこを好きになったの」と聞いた。



そうしたら、「強引なところと、もう働いていて

お金を持っている所」



学生だから貧乏だったから仕方ないよな。



兄貴もう社会人だったしなと、

妙にサバサバした気分になって別れた。



兄貴には「彼女をよろしくな」とだけメールした。

兄貴からは「悪い。でも、彼女の押しに

負けた」と返答がきた。



なんだ、俺と付き合いながら

兄貴にもモーションかけて二股だったのか。



彼女とはそれっきり、兄貴ともそれ以降は

最低限の連絡だけにした。

その兄貴と元カノが結婚することになった。



両親に挨拶するとなって、

レストランで会うことになったけど、

前日に兄貴の携帯番号で元カノから電話がきて

「私と付き合ってたことは絶対に言わないでね」と言い出した。



元々そんな事を言うつもりはなかったし、

この頃にはもう振られたことは吹っ切れていて、

普通に祝うつもりでいたので

「言わないから大丈夫だよ」と伝えたら

「よかったあ。君と付き合ってたってバレたら

ご両親に変に勘ぐられるんじゃないかなって

ちょっと不安だったんだ。

そうだよね、私に手を出さなかった

純情な所有ったし。空気読めないようなこと絶対しないよね。

…でもね、今でも君にだったら、手、出されてもいいかな。」



冗談だと思ったので

「遠慮します」と事務的に返したら

「えー、ドキッとしたでしょ!君ってヘタレなのに下心満載だったもんねw

なつかしいなあ、あの頃どうして君と付き合いきれなかったのかなあ。」

思い出を語りながら俺を誘ってるのか、

さりげなく俺とヨリを戻しながら結婚したいのか、

俺をからかってるのか判らなかったから、

「話がそれだけなら切る。明日、よろしくな」と電話を切った。

今になってこっちを試すようなことを言うんだよ。

しかも明日両家ご対面って時に。

両家の挨拶はつつがなく終了した。

この頃から元カノから遊ぼうとLINEがくるようになった。



当然未読で放置していたら電話かかってきて

「どうせ独り身で暇なんだから遊ぼうよ」と言い出した。

「もう結婚する女性で義理の姉になる人とは遊べない」と断ったら

「義理でも姉になるんだし、姉の言うことに付き合いなさいよ」。



結婚前の微妙な時期に余計な波風立てたくないから無視して、

元カノのアカウントもブロックしていたら、

兄貴が「お前が元カノに迫ったというのは本当か」と言い出した。



仕方ないからLINEの元カノとのやりとりをすべて見せて

誤解を招きそうな事を言い出したので断った事、

LINEは現在ブロックしてること、

兄貴と付き合い出す前ならともかく、

今は兄貴の奥さんになる人以上の

感情はもってないことを伝えた。



すると、

「そうだよな。だから俺に取られたんだよなww

お前から誘ったり奪い取ったりするほどの根性ねえもんな。

だからあいつは俺を選んで結婚するんだよな。



彼女が弟に迫られて困ってるのって言ってたけど

お前ならへたれで手も出せないぐらいだし、彼女と遊んでもいいや。

どうせ手出し出きるほど根性ねえもんな」と、悪かったわーと形だけ謝った。



その後も「兄貴くん公認なんだし、ちょっとぐらいいいじゃない」と

元カノから誘いがくるし、兄貴も「俺はお前の事信用してるからな」と

俺が困ってるのを楽しんでいる風。

しかも、祝辞を俺に頼んできた。



それも「兄貴と仲の良かった弟、ということで頼むわ」と。



だから、俺は結婚式で祝辞を読むことにした。



恥ずかしいから内緒にしてたけど、

兄貴と彼女が付き合う切っ掛けは俺で、

俺と彼女が付き合っていた所に兄貴が彼女をねとり、

しかも彼女も俺より金を持ってる兄貴のほうがいいからといって別れたこと。



両家挨拶の時に再会したときに

黙っていようと思っていたのに彼女が絶対喋るなと脅してきたこと。

しかも黙っているなら私のことを好きにしてもいいのよとLINEで何度も誘ったこと。



しかもそれは兄貴公認だったこと。

多少嘘も混じっているけどおおよそ正直に読んだ。



会場が静まり返ったのをすごい覚えてる。

高砂の二人は蒼白だった。



新婦な元カノは俯いて違う違うと耳を塞いでたし、

兄貴が立ち上がって俺を止めようとしてるのが見えたから

「言いたい事言い切ってすっきりしました。お二人ともお幸せに」

とだけ言って式場から帰ってきた。

親からも参加してた人からも電話がすごかったしその後も色々面倒だったけど、

俺は祝辞を頼まれたから二人の馴れ初めを喋っただけ。



父親には相談したよ。

実は俺の元カノで、今はその気がないのに向こうから変なモーションかけてくるって。

そうしたら、「お前が変な気を起こさなければ問題ないだろう」って言われたからな。

母親にも相談したけど、そっちは

「別にいいじゃない、お互い大人なんだから。

やましい事をするつもりがなくて、お兄ちゃんも太鼓判押してるんだから

昔話に花を咲かせなさいよ」と。

母親にはさすがにエロ目的な誘いも含まれてるとは言いづらかったので

多少抑えた内容で伝えてたのが悪かったんだけどな。



両親からは式をぶち壊したとして絶縁を言い渡された。

両親には悪いことをした事だけは謝ったけど、

父親が「お前の度量が小さすぎる。こういうときは黙って耐えて兄貴を盛り立てるのが男」

と言われたので、父親も兄貴と同じだと思って絶縁を受け入れた。

母親は最後まで泣いてたな。

それだけは悪いと思った。



兄貴と元カノはそれでも結婚した。

意地でも別れないんだから、

あんたに幸せな所見せつけてやるんだからと元カノにいわれ、

兄貴はモテない男のひがみで結婚式をメチャクチャにしやがって!



弁償しろ、金払え、賠償金支払えとうるさかったけど、俺のスピーチが

響いたのか、会社での立場が悪くなって俺に文句言う所じゃなくなったようで

最近はおとなしい。



式で言いたいこと言ってスカッとしたけど、

それを引換に両親と縁がきれて、

地元に帰れなくなって

地元の友人もほとんどいなくなったけどな。


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