【90話】友人の結婚式が子供の誕生会みたいだった
友人の披露宴が悲惨だった。式場は割と大きなところだったのだけど会場に入ってみて呆然。
高砂にわずかな生花とバルーンが飾ってあるだけで、各テーブルには花なし。
結婚披露宴というより、子供の誕生会のような雰囲気。
新婦が張り切って飾り付けました!という訳でもない。とにかく殺風景。
料理も、前菜が2つ続いた後いきなりケーキとコーヒーが運ばれてきた。
ビールを追加しようとしたおじさんは断られてた。
進行もかなり端折られてて、新婦側友人のスピーチがあった程度。
皆「なんかおかしくない?」と囁き合って重苦しい雰囲気で
新郎新婦もそれを察知してか始終申し訳なさそうな顔をしていた。
引き出物は箱だけ豪華なカップケーキだけだった。
予測できたことだがそのカップルはすぐ離婚。
後から又聞きした話ですが、新郎が実はバツイチで多額の借金があったらしいです。
新婦側の家は元々は裕福だったのですが、彼女の離婚前後に破産しました。
挙式時には両家とも正直かなりお金に困っていたと思われます。
なのにどうしてあんなに大きな式場であんなに貧相な披露宴をしなければならなかったのかは謎です。
ただ出席者たちは何も知らず通常の金額を包んでいったので、恐らくかなりの黒字だったのではないかと。
利用されたのかもと思うと文句のひとつも言いたいところですが、
事情が悲惨すぎるので、友人の間ではあの披露宴はなかったことになっています。
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